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映画『シグナル100』 橋本環奈主演の阿鼻叫喚地獄を味わってきた

2020年01月31日
映画・ドラマ 非ネタバレレビュー 0
シグナル100
パロディやってごめんなさい。映画館へ観に行って反省します。
…ということで橋本環奈主演の映画『シグナル100』(東映)を観に行ってきた環奈の観客(“環客”)を自称する筆者が味わってきた阿鼻叫喚地獄の全て。

(トップ画像は映画『シグナル100』公式サイトより引用)



TOHOシネマズ ららぽーと磐田
館最少107席のスクリーンで観客10名くらい

TOHOシネマズ ららぽーと磐田
東宝で観る東映映画

あらすじ


田舎の高校。担任教師、下部(中村獅童)によってルールを破ったら体が勝手に動いて自殺してしまう暗示をかけられてしまう。

「遅刻してはいけない」
「暴力を振るってはいけない」
「泣いてはいけない」

自殺シグナルは100個。ルールを破った者は操られたように飛び降りたり、自分で刃物を刺したり、頭を壁に打ちつけたりして自分で自分を殺して死んでいってしまう。

そんな阿鼻叫喚の教室に残された生徒達は暗示を解く手がかりを探してなんとか助かろうとするが、「最後の1人になると暗示が解ける」ため、お互いが疑心暗鬼となり、裏切りや騙し合い、相手を死なせようと仕向けたり、憎悪入り乱れた修羅場と化す。

賢い役の橋本環奈 だがちょっと不満


橋本環奈のセリフが少ないのだ。大胆な活躍もなし。
もちろん派手なアクションを出せと言っているわけではないし、環奈びいきの目なのは百も承知だけど、主役だよね?いささか不満は残る。

ただ、環奈が立派に見える作品なのは間違いない。

環奈は法学部志望の賢い人物で理不尽に対し毅然と立ち向かう樫村怜奈を地に足着いた感じでしっかり演じている。

しかし、苦境を知性で切り抜けるかと思いきや…ネタバレのため省略
キモ・グロ役なし。半ネタバレだけど。
うーんもったいない。
乃木坂ヲタはともかく“環者”と“環客”のトラウマ対策にはとてもやさしい作りになっている。
いつかは環奈のひどい役も見てみたいよね。

それにしても20歳なのに高校生の制服似合うな。知性派の役、清楚なロング黒髪とその凛とした表情が実にマッチしていて良い。
『銀魂2』ですでに大人の色気が出過ぎていたこともあったから10代役はそろそろ無理ではないか?と心配していたけど全然大丈夫だった。一つ残念なのはそのロングヘアーで表情が見えにくいところがある点。

本格シリアス映画初挑戦。悲痛と絶望の表情、顔の毛穴まで見えそうな環奈を観たければ可能な人はぜひ映画館で観てほしい。

凄惨なシーン連続だけど…


JK観客が最初に口にした感想



同じ上映回で見ていたJKが上映終わって一言目

「音がキモい」


血が吹き出るときのグチュグチュ効果音はたしかにキモい。

映像としてはグロい。ありえない自殺表現の極地なんだが、映像と音響の効果がすぎる感はある

スピード感と音と血しぶきですごくひどそうに見せているだけといえばよいか。自殺スイッチが入ったときの半狂乱の演技は良いとして、高速で自分を殺めてしまうシーンは、なんだかテレビゲームのように見えてしまう。

ものによっては明らかにCGだし、グロテスクだけどリアリティはない。(予告編はもっとひどかったがそれよりは作り込まれている)

つまるところ、あくまで映像的には猟奇モノ好きからみたら多分まだやさしいレベルということ。

さらに「はい、これから残酷シーンですよ」と合図があるから、親切丁寧極まりない(笑)。

あの子がすげー死に方する



本当に書きにくいことなんだが、一ヶ所だけ「身体の一部が飛ぶ」ところがあって、多分みんな知ってるあの子がねえ、すげー死に方するよ。次ホラーの出演依頼来るな。事実上の友情出演乙。(わかっちゃうか)

恒松祐里演じる箕輪紀子の死に方キモい。つまり役を演じるという意味では素晴らしいということ。もう凄惨極まる状況で気分悪くなったよ。本当の殺し合いを観ているみたいで。経験はないけどさ。主役の引き立て乙。

猟奇じゃないけど猟奇


ストーリーとしては猟奇じゃないけど映画としては間違いなく猟奇だね。

猟奇
奇怪・異常なものに強く興味をひかれ、それを捜し求めること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)


映像的にはまだやさしいとはいえ、監督が描きたい世界は確実に狂気の世界。異常者の世界に連れて行かれる。

物語のクライマックス、学園祭セットのシーンのCGでの肉体表現なんかは悪趣味レベル。
竹葉監督には肉体残酷表現系の趣味が絶対ある。

『肉だるま』か『死霊のはらわた』とまではいかないが、行き過ぎた狂気には気味悪さ通り越して滑稽さすら感じるわけで。

描かれる世界が異常で気味悪いものだから余計に環奈演じる樫村の清潔感のコントラストが際立つ。



極限状態の人間を描く


生き残るのは誰?


序盤で「そう来たか」という驚かされる展開ですぐ密室劇と化す。中村獅童演じる悪役、担任の下部との対決モノになるのかなと思いきや肩透かしを食らう。

そこからが泥沼。“殺さない殺し合い”ともいうべき同じクラスの生徒同士が憎悪入り乱れての凄まじい展開。疑心暗鬼、裏切り、自分だけが助かりたいから騙す、他人を死に至らしめる。

元はと言えば全員被害者なのに自分のためなら人間ここまで酷くなれるのか。極限状態で人間はどう出るのか、強烈な修羅場を見せつけられる。最後の最後ではどんでん返しも。

結局、平和主義者が生き残るみたいな感じかなあ。

もしかしたら内戦下とかがこんな感じなのかも知れないと思った。各勢力入り乱れて食うか食われるかの極限状態の中だと皆が疑心暗鬼になったり、自分だけ助かろうとして仲間を売ったり、あるいは日頃から積み重ねられていた憎悪が露わになったり、ここぞとばかりこの状況利用してしまえというような。本当は紛れもなく被害者なのに憎悪が内に向かって牙を剥く。生きるための殺人。しかし、それを正当化してしまえば誰かも自分を殺しにやってくる矛盾。

復讐の繰り返しからは何も生まれないのだ。殺し合いの果てにあるものは屍と荒野しか残らない。

人間ドラマとしてはさっぱり薄い



キャラの掘り下げは申し訳程度で人間ドラマとしてはさっぱり薄い。
主役・樫村でさえ「お前誰なんだよ」と言いたくなるほど人物の後ろ側が見えてこないんだな。バドミントン部らしいけど足の太さくらいしか。

人物の背景描写がすんごい薄いのな。
わざとらしい説明シーンがないだけいいかもしれないけど。

生徒達の普段の学校外の暮らしを描くとかも99%ないから人間模様を追えない。感情移入できないし、どのキャラも愛せないのだ。

それから最後のなんだあれ。まさか笑うシーンで締めるのかと一瞬錯覚するほどだ。出来の悪い昔のアクションゲームのラスボスか。まあラスボスは常人には理解不能な異常者として描かないとフィクションにならないからかもなあ。

最後に生き残った人の行動もこれ復讐なの?相手一人なんだから効果がないだろ?結局何がしたいのかは曖昧な描写。

テーマ的にもうちょっと奥深さが欲しいというのが正直な感想。これでは凄惨なシーンを見るだけの猟奇作品で終わりかねない。

しかし、なんとか寓話的に受け止めるならば、人間とは条件が揃えば残酷な行為もいとわない業の深い存在でそれを描き出していること。月並みだけど。「ルールって本当は何のため?」を究極的に問うのかというとそっちは今ひとつ。

まとめ




  • 環奈はよいが、もっと活躍見たい


  • もっとテーマ掘り下げほしい


  • 中村獅童はキモい



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